偉大なる日本の新幹線
「2月中旬に、東海道から500系が消える」
近々消えることはわかっていたけれど、遂にその時がきたなといった感じだ。
- -
当時まだ一桁の年齢だった俺でも覚えている。それくらいに500系登場のインパクトはすごかった。
世界最速の鉄道。最高時速300キロ。
それに加えてあの美しいフォルム。
そういえば、500系のプラレールが欲しかったっけな。
- -
登場当時から、世界を見れば”最高速度300キロ”の鉄道は存在したらしい。
”世界最速”の意味するところは、駅から駅までの平均速度を表す「表定速度」という指標でだ。
そういうと「なんだ、何かの部門で単独首位なだけか」とありがたみも半減してしまうかもしれない。
しかしだ、日本国内で300キロを出すのと、他国で300キロを出すのとではワケが違うのである。
なにのワケが違うのかというと、それは地形である。
諸外国の高速鉄道は、民家の無い、トンネルの無い、盛土の頑丈な地盤を走ることが出来る。車体が重たかろうと、空力が悪かろうと、騒音がひどかろうと、広い大地でお構いなしに走れる。
新幹線はどうだろうか。狭い国土の民家を縫うように高架線を敷き、国土の大半を占める山にトンネルを掘り、その障害物の間を走り抜ける。
そのために新幹線電車は「お上品で小柄、その上よく働く」と噂の日本人そのものの様に、静かで軽く、その上高性能なのである。
事実、500系新幹線は英国TVGの条件において走らせれば、なんと345キロ以上の営業運転が余裕でこなせるといわれている。
- -
それだけの力を持つ500系であるが、登場から14年で博多東京間最速便である「のぞみ」号運用から姿を消す。
今後は8両編成に短縮の上、最高速度を285キロに落として「こだま」運用になるという。
500系ファンとしてはなんとも寂しい。
500系にはその実力を活かして、300キロで走っていて欲しいが…
- -
しかし、裏返せばこれは
「日本はたったの14年で、当時世界最高峰だった500系を圧倒する新幹線電車を開発した」
と言い換えることも出来る。
実際、N700系は博多東京間で500系よりも圧倒的に良いタイムを叩く上、経済性にも運用性にも優れているそうだ。
それに、目を東北に移せば、320キロ運転を行うべく開発された新型車両、E5系も居る。
凄いじゃないか、我らが日本の新幹線。
- -
日本済成の一つシンボルでもあり、
また同時にそれを支えたものでもあり。
優秀な技術者達が汗を流し開発したシステムや車両、
それを運用保持する保線技術員や運行関係者。
どれをとっても日々進歩する、世界最高峰の交通システムに違いないだろう。
- -
そういうわけで、日本の経済を支える新幹線は今日も進化を続けますみたいな。
っていうか新幹線すごくね?かっこよくね?
みたいなそんな感じでした。
本屋さんの鉄道雑誌コーナーに行くといよいよ500系引退特集が表紙を飾っているし、個人的には凄いさみしい気分なのですが、
新幹線全体から見ればこれは進化なのですよね。
まぁ、「こだま」500系はグリーンと同じ椅子の幅を普通乗車券で使えるそうなので、それはそれで嬉しいかなと思ったりしている今日この頃です。
500系運転最終日どうするかって?
勿論行きますよ、新大阪へ。最後の16両の勇姿を見ずに、死ねますかいな。